中村 雄太さん

【出身地/前住所】 宮城県/東京都

【移住年月日】 2014年3月18日

【年代】 30代

【家族構成】 愛妻、愛娘1人

【職業】 元地域おこし協力隊、現在はセルフビルドで家を建築中


新得町に移住したきっかけを教えてください。

子供が産まれたのをきっかけに、家族が健やかに生活できるよう、移住を考え始めました。

自給できるほどの広い土地を重要なポイントとし、
当初は地元の宮城や、関東に近い長野を考えていました。
そこでも広い土地の購入は可能だったのですが、樹木の種類や動植物、
四季が織りなす色彩が、理想とするビジョンと一致しませんでした。

そこで、範囲を北海道まで広げ、地域ごとの特徴を調べました。
降雪量や、四季の変化が魅力的な十勝に絞り込み、
下見を兼ねて旅行で訪れた新得町に移住することになりました。

移住を決めてから新得町での生活をスタートさせるまでの経緯を教えてください。

残念ながら、地方の仕事や土地情報は全くと言っていいほどなく、
東京から何度も北海道に来る時間もありません。

「基盤を作る」「パイプをつなぐ」事が地方で成功する重要なポイントだと考えていたので、
生活が保障され、役場の近くへ身を置ける地域おこし協力隊の応募を希望しました。

移住準備当初、新得町で地域おこし協力隊の募集はしていなかったのですが、
前年度も募集をかけていたため、今年度もどこかのタイミングでかかるだろうと予測し、
東京での仕事を整理しながら募集を待ちました。

地域おこし協力隊の募集が開始されたのが翌年の2月、合否が3月。
直後に引っ越しで、4月より勤務と言う移住者に全く優しくないスケジュールでしたが、
募集がなくとも4月には移住出来るように準備していた私に隙はありませんでした。

新得での休日の過ごし方を教えてください。

現在定職についていないので、特に決まった休日はありません。

晴れた日は畑仕事や自宅をセルフビルドしています。
雨の日には、JAZZを聞きながらコーヒーを淹れ、クッキーを焼き、映画を堪能しています。

移住してからの生活の変化や、暮らしの中で実感したことはありますか?

生活にかかる経費は東京にいたころよりも大きくなりました。

まず物を買ううえで町内で完結することはないので車が必要となり、
必然と購入するものに交通費が上乗せされます。
買うときの選択肢が少ないので物価も高くなります。
また冬は暖房費も計上されます。
野菜に関しても、年中安い東京と比べ、季節による価格変動が大きくなります。

収入は下がりますから資本と言う観点から見ると移住はデメリットばかりです。

それでも新得町に住み続けたいと思ったのは、人々の心根の良さです。

生活に資本が反映されないため、純粋な気持ちで物事に取り組む方々が非常に多い。
「誰かの笑顔が見たい」とか、「子供たちのために」とか、「自然のため」とか。
これは数値で表すことができない事で、外から、または客観的に判断することができません。

商売を行ううえではネックになるのですが、
私は愛してしまったのですよ。そんな新得町民を。

冬の生活、住環境の対策や過ごし方、冬にまつわる感想を教えてください。

降雪量は少ないと思います。
気温が低いので歩いていて靴が濡れる事もありません。
さすがに一夜にして90cm雪が降った時は玄関で呆然としましたが、
雪が軽いので除雪も楽でした。

私が防寒用に買い足した衣類はスキーウェア1着(買ったというか、もらったのですが)のみです。
マイナスの世界もウェア1着あれば十分です。

今までの人生の中で比較すると、
「溶けてアイスバーンになってはまた降り積もる」「家断熱が弱い」
東北の冬が一番しんどかったです。

冬で初めての体験は、鼻毛が凍った事です。
鼻から息を吸うと、鼻の入口あたりで引っかかるものがあります。
一瞬で溶けるのですが吸うとまた凍ります。
当時それが分からず、永遠に鼻をほじる羽目になりました。

移住後の生活で困ったこと、不便だと思うこと、失敗談などはありますか?

病院難民になる事です。
特に子供だった場合、診てもらえない可能性があります。
場合によっては50km以上離れた帯広の病院まで行かなければなりません。
それが日曜日となると、そこですら休館になるため手の打ちようがありません。
事が起きる前に、広域で病院の診察内容等々把握しておく必要があります。

また、何かと必要となるのが連帯保証人です。
町営住宅を借りたり、何かと高額な出費に必要となる時に必要となりますが、
親類が近くにいないため、保証人を立てるのが困難になります。

親と言えども非常にデリケートな問題ですので、郵送して気軽にサインしてとは言えないですね。

元地域おこし協力隊として、移住や土地の購入について感想を聞かせてください。

地方の情報が限りなく少ない現状で、
移住の導入として地域おこし協力隊は非常に有効な手段です。
しかしそこから先の生活は保証がないので、
明確な目標を立てて、そこまでの繋として考えていた方がよいと思います。

私自身は地域おこし協力隊任期中の土地取得を目標としていました。
地方では住宅地以外の土地を買う場合、所有者と直接交渉になります。
その時重要なのは、所有者を割り出す知識とパイプ、交渉でYESを取る営業能力です。
この能力を鍛えるお勧めの教本は「ナニワの金融道」です。

いずれにしろ土地取得までは一筋縄ではいかないので、
猶予期間を十分に取る事と下準備をしておくといいと思います。

私の場合、土地を見つけて所有者を割り出し、契約締結まで半年以上かかりました。
ちなみに「地域おこし協力隊」の肩書はアウェイで活動するうえでかなり有効です。
見ず知らずの人間が派手に動くと不安になる方もいらっしゃいますが、
地域おこし協力隊(=善良な部外者)と名乗ると信頼や安心を得やすいです。
我々元地域おこし協力隊が大失敗をする前に、このネームバリューは使っておいて然るべきです。

新得町への移住を検討されている方へ、メッセージやアドバイスをお願いします。

新得町のような小さな町だと、個人の行動に対してのレスポンスが非常に早く、明確です。
言い方を変えると、行動力のある人ほどその努力が反映されやすく、
また特異な人が突出出来る環境でもあります。

しかし地方に移住する時、地方が抱えた現実と向き合わなければなりません。
合理性や資本では都市部には到底かないません。
労働人口も極端に少なく、多くが消滅都市リストに入っています。
都市と地方を比較する時、私はいつもこのような例を出します。

「1万人収容でき、その半分の5,000人が独居老人のマンションに住むか、
少し離れたお向かいに老夫婦が暮らす場所に住むか」

今の価値観を上手くスイッチし、シンプルに物事を考えることが出来たら、
新得町での暮らしはきっと楽しいものになると思います。
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