手話に関する基本条例

手話に関する基本条例が施行されました。

平成26年4月1日より、手話に関する基本条例(平成26年3月7日公布条例第1号)が施行されました。

前 文

 「ろう者と共に生きる」町づくりを進めるため、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の理解と広がりをもって地域で支え合う住みよい町を目指し、ここにこの条例を制定するものです。
 町とろう者との関係は、まだ戦後の混乱期であった昭和28年にろう学校の生徒たちが卒業後も自立して安定した生活を送れるよう、聴覚障がい者の自立と職業訓練のために身体障害者授産所わかふじ寮が創設されたのが始まりです。
 以来、聴覚障がい者を中心とした福祉事業を町民と一体となって作り上げ、新得町が「福祉の町」「手話の町」といわれるようになりました。
 「手話」は、ろう者の日常生活にとって大切なコミュニケーション手段です。手話を使い安心して暮らすことができる町づくりに向け、全力を挙げて取り組みます。

条 文

 (目的)
第1条  この条例は、手話を言語であるとの認識に基づき、手話の理解と普及に関して基本理念を定め、町、町民及びろう者を支援している事業者の責務及び役割を明らかにするとともに、町が実施する施策の基本的事項を定めることにより、全ての町民がろう者と共に生きる地域社会を実現することを目的とする。
(手話の意義)
第2条  手話は、ろう者がコミュニケーションを取るときや物事を考えたりするときに使うことばで、手指の動きや表情などを使って概念や意見を視覚的に表現する視覚言語であることを理解しなければならない。
(基本理念)
第3条  町民の手話への理解の促進を図ることにより、手話でコミュニケーションを図りやすい環境を構築するものとする。
2 手話を使用する町民が、自立した日常生活を営み、地域における社会参加に務め、安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指すものとする。
3 手話を使用する町民は、手話による意思疎通を円滑に図る権利を有し、その権利は尊重されなければならない。
(町の責務)
第4条 町は、手話を使い安心して暮らすことができる地域社会の実現を図るための施策を推進するものとする。
(町民の役割)
第5条 町民は、地域社会で共に暮らす一員として、手話を使い安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与するよう努めるものとする。
2 手話を使用する町民は、町の施策に協力するとともに、手話の意義及び基本理念に対する理解の促進並びに手話の普及に努めるものとする。
3 事業者は、ろう者が利用しやすいサービスを提供し、ろう者が働きやすい環境を整備するよう努めるものとする。
  (ろう者を支援している福祉事業者の役割)
第6条  ろう者を支援している福祉事業者は、町の施策に協力するとともに、手話に対する町民の理解の促進並びに手話の普及に努めるものとする。
(施策の策定及び推進の評価)
第7条 町は、町民が手話を使い安心して暮らすことができる地域社会の実現を図るために必要な施策を策定するものとする。
2 施策には、次の事項を定めるものとする。
(1) 手話の普及及び理解の促進に関する事項
(2) 手話による情報取得に関する事項
(3) 手話による意思疎通支援に関する事項
3 町は、施策の策定又は変更、及び推進の評価を必要とするときは、手話を使用する町民や関係する町民の意見を反映するために必要な措置を講ずるものとする。
(財政上の措置)
第8条 町は、手話に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
  (委任)
第9条  この条例の施行について必要な事項は、町長が別に定める。

経 過

 平成25年4月、聴覚障がい者の社会参加を目的に設立された「社会福祉法人厚生協会」が60周年を迎えました。また、同年8月30日から9月1日には「第54回全道ろうあ者大会」が本町で開催され、その際、北海道ろうあ連盟理事長より「手話言語条例」の策定について要請がありました。
 全国的には、鳥取県が「手話言語条例」を平成25年10月に可決され施行されています。また、北海道内では石狩市の「手話に関する基本条例」が12月に可決されています。
 手話は改正された障害者基本法により、言語であることを認められています。聴覚障がい者を中心とした福祉事業を進めてきた本町において、「ろう者と共に生きる」町づくりを進めるため、手話が言語であるとの認識に基づき、「手話に関する基本条例」の制定に向けて町民による研究会を、福祉団体・福祉施設・手話に関係する団体・商工会・教育関係者等により平成25年11月に発足し検討してきました。

(研究会の開催状況)

○平成25年11月 8日 第1回研究会
・条例制定に向けた背景、検討事項・問題点の抽出
○平成25年11月28日  第2回研究会
・手話に関する基本条例勉強会
講師:北海道ろうあ連盟 副理事長 佐藤英治 氏
○平成25年12月28日  第3回研究会
・手話に関する基本条例の素案、施策に関する検討
○平成26年 1月 9日  第4回研究会
・施策の策定及び推進評価に係る検討
○平成26年 2月 5日  第5回研究会

(その他の状況)
○パブリックコメント
・平成26年1月14日~1月31日
○議会提案・議決
・平成26年3月5日 第1回定例議会条例提案、同日議決(全会一致)
 

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